Deux Mille (ドゥ ミル)

小嶋 康利 オーナーシェフ

代々木公園駅徒歩5分NHK西門側にあるフランス惣菜専門店。白と赤を基調にしたかわいらしいお店は、フランスの街角かと一瞬目を疑ってしまう。腕を振るうのは、長年フランス料理界で活躍してきた小嶋康利オーナーシェフ。シェフにポリシーを伺うと「このお店をはじめるキッカケそのものがポリシーだよ。」と微笑む。シェフの心を動かしたものとは、いったい何なのだろうか。。。。


フランス料理長は僕のヒーロー

中学生でコックのなろうと決めた小嶋シェフ。ご実家が東京青山ということもあり、小さいころの遊び場は、スーパーの老舗紀ノ国屋。まわりの友達が仮面ライダーに憧れる頃、シェフの憧れは、当時NHKきょうの料理に出演されていたホテルオークラの故小野正吉先生と帝国ホテルの村上信夫先生だった。高校卒業後、昭和55年帝国ホテルに入社。憧れのシェフ村上信夫先生に師事する。 「当時はホテルが華やかな時代。村上先生に料理を教えていただいて本当に感激した。難しいところから勉強すれば、早く一人前になれると思った。だから上司に陳情しパンの仕事場から入り、ひととおりフランス料理を勉強したんだ。そして、少しずつ気持ちが、高級ではなく街の人達でも食べられるフランス料理を作ってみたいという思いに変わっていった。最終的には自分で店をだすのが夢だったから、その後2年間、パリで修行したんだ。パリでは、修行の身だからレストランで働いても無給。だからブドウ摘み、肉屋、魚屋。。。なんでもバイトをしたよ。今振り返ると、ホテルでの経験は、とても奥深くてやってよかったと思う。」 帰国後、都内や街のレストランで腕を振るい、Deux Milleオープンと小嶋シェフは夢を叶えた。

食生活が危ない

「今、ファーストフードやコンビ二弁当が私たちの食生活の中に入り込みすぎている。特に、東京の人は、忙しさにかこつけてそういうものを多く食べている。昔は、東京にも豆腐屋・八百屋・ひじきの煮付けなどの惣菜を売る店がたくさんあった。今は、そういう店がなくなり、昔食べていた体によい自然の恵みいっぱいの食事が忘れ去られてきている。悲しいことに、宇宙食の方がよいものを食べているのではと思われてしまう時代。子供達を見ても、食生活の乱れを反映するかのごとく、アトピーの子供や骨折する子供が多い。“このままではいけない”と現代の食生活に危機を非常に感じた。そして、このままでは本当の味もなくなってしまうと思った。そこで、僕は、手軽に本当の味を求められる店を作ろうと決心したんだ。」と小嶋シェフ。ショーケースに並ぶ惣菜・タルト、低温でじっくり発酵させた自家製パン、どれをとってもきれいで、実においしい。化学調味料はいっさい使わず農園と契約した野菜を使うなど、小嶋シェフは素材ひとつひとつを吟味してお客様に提供している。

ひとエリアにひとつのデりを!!

「今、若い人達は自分をきれいにするための努力はおしまない。たとえば、マニキュアをしたり、整形したり。本来の健康美が、今の時代には無い気がする。食生活が乱れて栄養が偏ったら、爪がボロボロになったり、笑顔も作れなくなる。人間にとって、食べること寝ることは、毎日すること。だから人工的にきれいにするのではなくて、規則正しい食生活にするなど生活自体を見直してほしい。食事の大切さをわかってもらえないとこれから大変なことになってしまう。だから、いち町村ひとエリアに、手軽に本物の味が楽しめる店ができたらいいね。」と小嶋シェフ。これからも五感に響く美しい体によい惣菜を小嶋シェフは作り続ける。


にんじんのラペ

今回は特別に、お店の人気惣菜を教えていただきました。〜にんじんの甘味と爽やかな酸味がマッチする惣菜です。

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材料・4人分
にんじん 3本
干しぶどう(できればラム酒でつけたもの) 適宜
オレンジ(皮をむき小房にわけておく) 適宜
グレープフルーツ(皮をむき小房にわけておく) 適宜
イタリアンパセリ(みじん切り) 適宜

ドレッシング

 
フランボワーズビネガーまたはワインビネガー 10cc
オリーブオイル 20cc
サラダ油 20cc
蜂蜜 大さじ1
粒マスタード 小さじ1
少々
白胡椒 少々
クレーム・ド・カシス(カシスのリキュール) 少々
作り方

1.にんじんは、チーズおろしまたは包丁で細く切る。(チーズおろしの方が、繊維が断ち切られおいしくなります)
2.ドレッシングを作る。ボールに、ビネガー・塩・胡椒・ハチミツ、粒マスタード、オリーブオイル・サラダ油を入れ、泡だて器でよく混ぜる。混ざったら、クレーム・ド・カシスを入れ、全体がなじむまで混ぜる。
                                                
3.Aに@と干しぶどう・オレンジとグレープフルーツの果実・パセリを混ぜ合わせて出来上がり。