文菜華

オーナー 渡辺 展久(わたなべのぶひさ)

渡辺シェフは1978年生まれ。
専門学校卒業後、聘珍樓吉祥寺店をはじめ数々の中国料理の店で腕を磨いた後、中国料理古来の技法、調味料の製造を学びに単身タイ、バンコクへ。
様々な野菜や香草を使った料理を習得し、26歳で独立。
29歳の時に地元千葉県柏市に、中国料理文菜華を開店した。

柏駅より徒歩10分ほどの住宅街にある文菜華。
店名の由来は、「中国料理の伝統文化をふまえた上で、野菜や香草などを使って身体に優しい料理を提供し、中国料理の新しい文化を創造していきたい」との想いから。

独創性豊かなモダンチャイニーズで予約が取れない人気店となり、女性客を中心にリピート客が多い。
料理、食材はもちろん、ワインや中国茶の品揃え、グラスや食器の使い方にもセンスを感じる。



【料理人になるきっかけは小学校高学年 】

小学校高学年のとき、父親の知り合いのシェフのいる高級中華料理店で料理を食べて感動し、料理人を目指そうと決意しました。
高校時代のアルバイトはすべて飲食店の厨房でした。すし屋では魚の目利きからおろし方、握り方すべて教えていただきました。高校2年の時、中華レストランでのアルバイトをきっかけに、専門学校の専攻は中華を選択しました。
聘珍樓での修行時代にたくさんのことを学びましたが、ホテルや名門料理店の料理人はお客様に喜んでもらい続けるために歴史のリレーをしているではないか、と感じ、 自分は自分にしかできない形で料理をつくり、喜んでもらいたいと思うようになり、独立を考えるようになりました。

【食材のこだわりと飽きさせないメニュー 】

日本の中国料理として、まずは食材にこだわりました。
千葉県柏市の旬の野菜をはじめ、肉も魚も米も、生産者とのコミュニケーションを大切に、吟味して食材を仕入れます。
私のお店では、ランチ、ディナー通して、お客様の9割ほどがコース料理を召し上がります。
生産者から「今日はいい本クエが揚がったよ。」と連絡があれば、コースの魚料理を変更し毎日一番美味しい新鮮な食材を使った料理をおすすめ料理としてお出しします。
また、常連のお客様にも飽きることなく通っていただけるように、メニューも季節に合わせて工夫します。例えば2015年の春節メニューは、「福を食す」をテーマにプランを練りました。子孫繁栄の象徴「とびっこ」入りふかひれスープや、お金が貯まるという意の「髪菜」とともに頂く大根の銭型煮込み、年々よくなるという意の鮮魚姿蒸し金華ハム添え、乾貨入り蓮の葉包みちまき、などです。

【レストランサミットの出会い 】

千葉県の東葛6市の和洋中オーナーシェフが集まったレストランサミットに参加しています。現在、30代〜60代の18店舗のシェフが参加し、勉強会や情報交換をしたり、地元の野菜や調味料を知ってもらうためのメニューや企画を考えたり、小学校で食育活動をしています。この集まりで新しいアイデアがわくこともあり、とてもいい刺激になります。
京料理のシェフと合作メニューでコース料理を提供する特別プランを企画したこともあります。一皿ずつ交代で担当するわけではなく、ひとつのお皿を京料理のシェフと二人で作り上げる本当の合作です。
これは18店舗それぞれに切磋琢磨しあう結果となっています。これからもみんなで地元を盛上げていきたいと思っています。



 

今回は、地元柏市の旬の野菜を使った野菜炒めを紹介します。
シンプルですが、素材の力を存分に引き出せるよう火の通し方にコツがあります。


   

   【柏の野菜炒め】

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材料
分量

(A)油で揚げるもの/シメジ、あぎ茸、蓮根

適量

B)油に通すもの/アスパラ、セニョール、ブロッコリー、カリフラワー、人参、紅芯大根

適量

(C)茹でるもの/青梗菜、菜花、チコリ

適量

【合わせ調味料】

鶏がらスープ

30g

オイスターソース

15g

ナンブラー

5g

3g

胡椒

少々

胡麻油

少々

 
作り方

1 鍋に油を入れA〜Bの順に鍋に入れる
2 油を切り、お湯を張りCと一緒にA、Bも一緒に鍋へ。さっと湯にくぐらせ余分な油を流したらざるに切る
3 葱生姜大蒜で香り出しし、先の材料を鍋に入れる
4 強火で一気に炒める。【合わせ調味料 】を入れさらに炒める
5 仕上がりに鶏油を2、3滴(香り付け)で皿に盛る

★ポイント/この料理のポイントは材料にあった火の通し方をすることです。
(食材すべてが均一な火入れになるよう)

 

       
編集後記

柏市には、ニッカウヰスキー柏工場があります。市内で行われている「ウイスキープロジェクト」に文菜華も参加しており、柏産のいちじくとニッカウヰスキー「竹鶴」を使った“大人のいちじくジェラート”が大評判。わざわざ都内からいらっしゃるお客様にも満足していただけるよう、なるべく地元の食材を使った文菜華らしいおもてなしを心がけているそうです。