フランス料理からイタリア料理へ
フレンチのシェフだった鈴木さんがイタリア料理と出会ったのは、渡仏がきっかけであった。
「僕が日本でフランス料理に携わっていた頃、フランス人の料理を食べる機会がありました。その時、フランス人の感性を目の当たりにし、本物を肌で感じとりたい、と渡仏を決心したんです。その後、イタリア料理も見ておこう、くらいの軽い気持ちでイタリアへ渡ることになり、そこからイタリア料理との付き合いが始まりました。」
フレンチの経験が豊富なシェフにとって、初めイタリア料理には少々抵抗があったとか。
「フランス料理に求められるものは、細かい仕事であり、繊細な仕事です。自分もずっとそれをやってきたので、イタリア料理を見たときは、正直、これでいいのか?何か違うんじゃないのか?って疑問が沸いてきました。そんな時、ごく普通のトラットリアでラビオリを食べたんです。手間がかかっているわけでもないのに、なんでこんなに美味しいんだ?とある意味、カルチャーショックを受けましたね。
細かな手間をかけて美味しさを追求してゆくフレンチと全く正反対な料理なのに、むちゃくちゃ美味しい。純粋にそのままで美味しいと思えるイタリア料理をさらに追求してゆきたくなったんです。」
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