鈴木 康司 グランシェフ

RIVIERA AOYAMA (リビエラ青山)

鈴木 康司 グランシェフ

最寄り駅は外苑前、表参道。外苑西通りを西麻布方面へ。
RIVIERA AOYAMAは、スタイリッシュな空間の中、心地よさを感じる本格イタリアンレストラン。
グランシェフを務めるのは、鈴木康司さん。
京王プラザ入社後、渡欧。フランス料理、イタリア料理を学び、「パスタの神様」と称されたアンジェロ・パラクッキ氏の最後の愛弟子となり、スーシェフを務める。帰国後、数々の名だたるレストランで料理長を務め、2007年2月より、リビエラ青山のグランシェフに就任する。 季節感、素材の味を大切にして創り出される料理は、どれも絶品。今注目のシェフである。


フランス料理からイタリア料理へ

フレンチのシェフだった鈴木さんがイタリア料理と出会ったのは、渡仏がきっかけであった。
「僕が日本でフランス料理に携わっていた頃、フランス人の料理を食べる機会がありました。その時、フランス人の感性を目の当たりにし、本物を肌で感じとりたい、と渡仏を決心したんです。その後、イタリア料理も見ておこう、くらいの軽い気持ちでイタリアへ渡ることになり、そこからイタリア料理との付き合いが始まりました。」

フレンチの経験が豊富なシェフにとって、初めイタリア料理には少々抵抗があったとか。
「フランス料理に求められるものは、細かい仕事であり、繊細な仕事です。自分もずっとそれをやってきたので、イタリア料理を見たときは、正直、これでいいのか?何か違うんじゃないのか?って疑問が沸いてきました。そんな時、ごく普通のトラットリアでラビオリを食べたんです。手間がかかっているわけでもないのに、なんでこんなに美味しいんだ?とある意味、カルチャーショックを受けましたね。
細かな手間をかけて美味しさを追求してゆくフレンチと全く正反対な料理なのに、むちゃくちゃ美味しい。純粋にそのままで美味しいと思えるイタリア料理をさらに追求してゆきたくなったんです。」

素材本来の美味しさを表現する

シェフの作り出すイタリア料理は、様々な素材の甘みや旨みが口の中で一つになり、心から美味しい!と思える料理ばかりである。
「僕は素材、特に野菜本来が持っている、うまみ、コク、味を最大限引き出した料理を作りたいと思っています。しょっぱいわけでもなく、かといって味気ないわけでもない。塩辛さの濃さではなく、野菜そのものの味の濃さを料理で味わってもらいたい。」

素材や野菜本来の味を大切にするシェフは、もちろん畑にも足を運び、常に自分の目と舌で野菜の美味しさを確かめている。
「オーガニックであればいいというわけではなく、自分で確かめて美味しいと思うものだけを使います。自分の足で土を感じ、泥つきの野菜をそのままかじる。野菜本来の美味しさを感じる瞬間です。また、畑に行くと、売っていないものに出会えるチャンスが多いんです。そら豆の季節に行けば、葉っぱも、花もそら豆の味がする。現地に行けばこそ出会える季節の恵みです。



料理と食空間の演出家

客様に最高に美味しい料理を提案すると共に食空間のプロデューサーでもある鈴木シェフ。
「イタリア料理は、地方の特性が生きている料理。それぞれの土地で採れる新鮮なもので作るからソースがいらない。素材の文化なんです。だから、日本でイタリア料理を表現する場合も、自分たちの身の周りにある素材、その時期にとれる最高の素材を最大限使って料理を創り出してゆきたいですね。普段忘れてしまっている季節感を料理を通して味わってもらえたら嬉しいです。料理を食べている時は現実や時間を忘れ、店を出た瞬間「あっ」と我に返る。映画のようなワンシーンを演出できたらと思います。主役はお客様、僕はそんなお客様を楽しませる演出家、指揮者になりたいですね。


焼き秋刀魚と焼き茄子スパゲッティ
材料(2人分)

焼き秋刀魚と焼きなすのスパゲッティーニ
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さんま

1匹

なす

1本

にんにく

1かけ

たかの爪

1本

あさりのだし汁

90cc

花穂じそ

適量

芽ねぎ

適量

オリーブ油

適量

適量

パスタ

160g

作り方

1.にんにく、たかの爪はみじん切りにする。さんまは焼いて身をほぐす。なすは焼いて皮をむき、6等分にする。
2.フライパンにオリーブ油、にんにく、たかの爪を入れ、弱火にかける。
3.にんにくの香りが出てきつね色になったら、あさりのだし汁、さんま、焼きなすを加え、軽く煮る。
4.アルデンテにゆでたパスタを3に加えて和える。
5.火からおろしてバージンオリーブ油を加え、混ぜ合わせる。
6.器に盛り、花穂じそ、芽ねぎをあしらう。

栗と野菜のコンビネーション
サルシッチャと共に
材料(2人分)

栗と野菜のコンビネーション サルシッチャと共に
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4個

人参の葉

適量

ひめ人参

2本

ビーツの葉

適量

むかご

2個

あらびきソーセージ

1本

パピオス

2個

にんにく

1かけ

ヘチマ

2cm輪切り1個

たかの爪

1本

新ゆりね

1/6個

ブロード(鶏のだし) 

70cc

ビーツ

1/8個

適量

赤オクラ

2本

バター

3g

つるむらさき

1茎

パルミジャーノ

大さじ2

ほう葉

1枚

 

 

作り方

1.野菜、ソーセージは適当な大きさに切る。ほう葉は香りをだすためあぶっておく。
2.ひめ人参、むかご、パピオス、新ユリネ、ビーツは軽くボイルしておく。栗はブロードと砂糖(少々)で煮ておく。
3.フライパンにオリーブ油を温め、ボイルした野菜を炒める。
4.みじん切りにしたにんにく、たかの爪を加え、きつね色になるまで炒める。
5.葉ものを加え、さらに炒め合わせ、最後にオクラを加える。
6.ブロードを加え、軽く煮る。
7.バター、パルミジャーノ、バージンオイルを加え、混ぜ合わせて出来上がり。

シェフの一言こぼれ話

「僕のこだわりは、飾りだけのために野菜を使わないこと。皿の中には必要なものしか入れない。せっかくの美味しい野菜は、余すところなく使いたいですね。そして料理にちょっとした演出、遊び心のエッセンスを加えることも大切です。」 本格イタリア料理店のメニューにナポリタンが入っているのもそんなシェフの演出のひとつ。
「ケチャップを使わないイタリア風ナポリタンを食べたときのお客様の「えっ?」という驚きや、料理を召し上がった後の「美味しかった!楽しかった!」の一言が、僕の原動力です。」