実践栄養ひとすじ
宮沢さんは、バイタリティーに富んだ経歴の持ち主だ。学校卒業後、病院の栄養士として勤務。その後、結婚を機に在宅栄養士となり、市役所や保健所などで栄養指導を行なう。「栄養指導や栄養相談をしていた時は、“バランス良い食事が大事”と言っても、どういうものを食べたらいいかなかなか伝えることができなかった。料理を食べる側・作る側が実際に体験しないとだめだとつくづく感じた。」そこで、宮沢さんは、自宅で料理教室を開く。
「料理教室では、みやまのメニューのように家庭で作れるお惣菜とバランスのよい組み合わせを紹介しました。今、おもてなし料理を教える料理教室が多いですね。おもてなし料理になるとレストランの食事のように一食の中に肉や魚、油がたくさんの量使われてしまう。そうすると食べ過ぎてしまいます。バランスのとれた食事を知らない方だと、それが毎日食べてよい食事だと勘違いされてしまうおそれがあるんです。」そこで60歳を機に大きな決断をし、平成九年「みやま」をオープン。「より多くの方にバランスのとれた食事を知っていただきたい。魚料理や野菜をたくさん使う煮物など、昔ながらの家庭の惣菜が一番大切なんです。今は、間接的にですが栄養指導をしている感じがしてとても充実しています。」と宮沢さん。自然と体に良い食事がお客様に浸透し、毎週通われる方、糖尿病の方など老若男女問わず、口コミで客層が広がっている。 |