龍雲庵

後藤 紘一良料理長

ポリシーは、茶懐石のすばらしさを広めていくということ
“茶懐石を気軽に若い人にも食べていただきたい”と精神こめて腕を振るうのは、後藤料理長。千利休が唱えた茶道本来の姿は、心がこもったものであれば、質素なものでよいということ。その流れを汲み、ここ龍雲庵では、味も盛り付けもシンプルに素材の味を存分にいかした茶懐石が堪能できる。
昼のメニューは、松花堂弁当 3000円、レディース懐石 5000円 ( 写真はレディース懐石の一部)、懐石コース 7000円〜


日本の文化ともいえる茶懐石ですが、後藤料理長にとって茶懐石の魅力は何ですか?

日本料理のうち、懐石料理というのは一部分です。今、焼肉懐石だとかフレンチ懐石だとか、懐石という言葉が一人歩きしてしまって、本当の懐石料理が理解されていません。千利休が四百数十年前に定めてから今日まで、お茶事にだされる懐石料理(茶懐石)は長い歴史ともに確立されてきました。本物が知られていないということは、とても残念です。それに茶懐石は、敷居が高くあらたまって食事をするというイメージがとても強いのです。本当の茶懐石は、余分な装飾をしないシンプルなもの。私にとって茶懐石の魅力とは、精神性がある・季節感と旬の味を大切にする・素材の持ち味を活かす・先走りしない・味付け盛り付けがシンプルということです。食べ終わりには、皿に何も残らないというマナーも好きです。茶懐石は、作る側・食べる側のお互いの精神を大切にする料理なのです。だから、私は、敷居を低くして若い人でもお友達同士でも気軽に来ることができる店、「龍雲庵」を開きました。

茶懐石との出会いはいつですか?

15歳の時、飛騨高山の「料亭 洲ざき」で修行をはじめました。ここは、茶人金森宗和の流れを汲む茶懐石“宗和流本膳くずし”を味わえる店です。宗和流とは、大名にお茶をたてる大名茶の流派。そして宗和流の食事は、本膳といって一の膳・二の膳・三の膳・・・と10時間位かけゆっくりと食事を味わうマナー。その流れを汲みながらくずしたのが宗和流本膳くずしです。その後、私は裏千家専門のお料理屋であります銀座辻留に入りました。ここは、千利休の流れを汲む精神性を大切にする茶懐石をおもてなす店です。辻留で料理を作っていくうちに、懐石料理は日本料理の中でも正しい料理なのではないかとだんだんと思うようになりました。もちろん洲ざきでも茶懐石にふれていましたが新人の身でしたので、辻留で初めて茶懐石に出会った気がします。その後、料亭胡蝶で料理長に就任し、茶懐石に近い形で、気持ちを大切にしながら、お客様にお食事をもてなして参りました。


本当に茶懐石は、奥深く心のこもった料理なのですね。最後に、より多くの方に茶懐石を今後どう広めていかれるか、ぜひお聞かせください。

少数でも懐石料理を啓蒙していければ本望です。龍雲庵では、龍雲会を月1回催しております。これは、お作法をご説明申し上げながら茶懐石を一式召し上がっていただく会でございます。こちらは、茶懐石が初めてという方でもお気軽にご参加いただけます。お客様のなかには、熱心に勉強されていかれるアメリカ人の方もいらしゃいます。これからも地道に伝統のある懐石料理がなくならないよう、守りつづけていきたいです

貴重なご意見どうもありがとうございました。

 

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かも茄子の揚出し

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材料・4人分

かも茄子

2本

揚げ油

適宜

大根おろし

大さじ4

生姜おろし

大さじ1

花かつお

1つまみ

あわせだし

 

だし汁

1カップ

みりん

大さじ2

うすくちしょうゆ

大さじ2


作り方

1.かも茄子の皮をむき、8等分に切り、水にさらす(10〜15分)。
2.水気をふきとり、160〜170度の油で揚げ、よく油をきっておく。
3.あわせだしを作る。鍋に調味料を合わせ、熱くしておく。
4.盛り付け。器にAを盛り込み、Bをかけ、大根おろし・生姜おろし・花かつおをのせる。