Lazzaro

布施 久男 調理運営担当部長

西麻布交差点にそびえるレンガ造りの円柱型タワー「NEWS CHEF AZABU TOWER」。新しい食スタイルを提案する、ニューズシェフの全てを集めた美食空間である。 「Lazzaro」は、その3・4Fに位置する白を基調としたスタイリッシュなレストラン。気軽にプロの味を堪能できるフレンチレストランだ。

「Lazzaro」でシェフを務めるのは布施久男調理運営担当部長。 名だたるフレンチの名店で腕を磨き、シェラトンホテルでメインダイニングシェフを経て料理長を勤めた後、「Lazzaro」で腕を振るう。 レストランシェフに留まらず、オリジナル容器を使ったメニューや商品開発など、活躍は幅広い。 時代の流れに合わせ、常に新しい感覚で料理を創造する一流シェフだ。

 

常に新しい感覚で料理を捉える

調理運営担当部長という立場である布施シェフ。フレンチ業界一筋のベテランだが、料理の捉え方は幅広い。
「ここではレストラン事業の他“NEWS CHEF”という、電子レンジで温めるだけで手軽にシェフの味を味わう事ができる料理キッドの、メニュー開発や商品開発も手掛けています。このキッチンも、レストランのキッチンでもあるしテストキッチンでもあるんです」
「NEWS CHEF」とは、レンジで「調理済みのものを温める」のではなく、「生鮮食材を調理する」という新たな発想から生まれた新しい食のスタイル。インスタントにはないできたての食感・本格的な料理を家庭で楽しむことができる。
「自分は出来上がったところに入って仕事をするよりも、これから創ろうとしている場に身を置き、試行錯誤しながらでも自分達の力で大きくしてゆくという仕事スタイルが、合っていると思っています。ここでの仕事も、レストラン事業だけでない幅広い可能性を感じるんですよね。電子レンジで調理と聞くとちょっと抵抗感があったりするものですが、この容器は電子レンジを使う圧力鍋のようなもの。物事を一方の面だけではなく多方面から捉えると、自然と見える範囲が広がってくるんです」
フランス料理の洋書との出会いがシェフ人生のスタートだった布施さん。フランス料理を土台に、一つのものだけに固執せず、料理の世界の幅を広げ続けている。


自分達で変えてゆく

そんな布施さんは、これから料理人を目指す人にも新しいものを創っていってほしいと語る。
「伝統はもちろん大切ですが、料理は時代と共に常に変化をします。これからの料理をする人たちも、自分達の手で変えてゆけばいいと思いますよ。例えばキッチン。 清潔にスマートに、より合理的に創ってゆけばいいんです。キッチンをアトリエと呼んでみたり、ラボと呼んでみたり、いろいろな発想が出てきています。そう言った柔軟な発想も、この業界の発展には必要なことのように思います。そして忘れてならないのがビジネス感覚。料理人はレストランの心臓部分。経営的なものの見方ができるよう、常に鍛えていたほうがいいですね。店をまわしてゆくためにはどうしたらいいのか?そのためには何をすればいいのか?そう言った視点を常にもってキッチンに立つと、自分の行動も変わってきます。無駄を出さない、旬の食材をきちんと使うなど、当たり前のことですが毎日の仕事、心構えにつながってゆくんです」

気軽にフレンチを

白のインテリアが心地よい「Lazzaro」。肩肘を張らずクオリティの高いフレンチを味わう事ができる。
「この店は、気軽に来店していただけることをコンセプトにしています。お客様がレストランに来店される目的っていろいろですよね。三ツ星の料理を味わいたいと思えば、そういったレストランを選択されると思うんです。うちの場合は、ふと立ち寄っても十分に楽しんでいただける空間作りを心掛けています。 いい加減ではなく、良い加減。僕は加減ってとても大切だと思うんです。だから通り一辺倒のフルコースをお出しするのではなく、その時にお嫌いなものがあれば外すし、お客様のニーズをお聞きしながら料理をお出ししています。気軽に来店して、食事と共にレストランの空間も味わっていただけたら嬉しいですね」




秋刀魚のポワレ 
トマトコンカッセとセロリ入りポテトのピューレ

材料5人分

秋刀魚のポワレ トマトコンカッセとセロリ入りポテトのピューレ
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秋刀魚

5匹


初秋の爽やかさと残暑の残る季節、秋刀魚を天火で炙り酸味の残るトマトとポテトと共に

 

トマト

500g

 

玉ねぎ

1個

 

にんにく

1かけ

オリーブ油

100cc

ブーケガロニ

1束

じゃがいも

500g

 

セロリ

5把

 

パセリ 

適量

 

<その他>

 

 

塩・胡椒

各少々

 

レモン汁

適量

作り方 

秋刀魚のポワレ
1.秋刀魚のフィレを1/2に、4枚を1人前とする。
  アルミホイルをひいたプラッターにオリーブ油を少々塗り、皮面を上にして天火で焼き、塩、胡椒、レモン汁をかける。
■トマトコンカッセ
2.湯剥きしたトマトの種を取り、ダイス形に切る。
  玉ねぎは極薄に切り、オリーブ油で透き通る位まで炒める。
  にんにく、ブーケガロニ、水分を軽く取ったトマトを入れ、軽く煮込み、塩、胡椒をふる。
■ポテトのピューレ
3.セロリの皮を剥き、ダイス形に切る。ポテトを良く洗い、皮付きのままボイルする。
  茹で上がったら皮を剥き、フォークで潰し、オリーブ油、パセリのシズレ(みじん切り)、塩、胡椒で味を整える。
■盛り付け
4.上段にポテトのクネルを置き、中央にトマトのソースを流す。焼きあがった秋刀魚をソースの上にのせ、塩・胡椒・レモン汁・セロリ
  の葉のフリットを飾る。

盛り付け手順
ポテトのクネルをスプーン
などで形を整え盛りつける
トマトのソースを中央に
盛りつける
焼きあがった秋刀魚を
手前から盛りつけてゆく
セロリの葉を軽く揚げ、
料理に添えて出来上がり