昔の家庭の朝食は、たとえ残りものであっても、5・6品が食卓にあがったものです。飽食の時代となった今、ご飯と汁物のある昔ながらの食卓の形が、残念なことに、忘れ去られてきているのかもしれません。以前、コース料理の中で土鍋で炊いたご飯を釜ごとお客様の前でおだししたことがあります。お客様にとても好評でした。今の世の中では、炊きたてのご飯をゆっくりと味わう時間も、少なくなってきているのかもしれませんね。銀しゃりという言葉があるように、炊きたてのご飯は、なにもしなくても輝いていて、とてもおいしいものです。古き良き日本の食文化が消えないよう、これから和食素晴らしさを伝えていくのは、私達料理人のつとめかもしれません。
やはり、お米のおいしさをわかるのは日本人だと思います。「日本人の米ばなれ」という言葉を耳にしますが、悲しいことですね。清水様の和食を大切になさるお気持ちが伝わってきました。それでは、最後に、清水様のこれからをお聞かせ下さい。
これからも、自然体でやれればいいと思っています。気張ると基本を忘れてしまいますから(笑)。季節を感じながら、これからも和食を作りつづけていこうと思います。
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