乃木坂 神谷

神谷 昌孝 御主人

懐石料理と蕎麦が味わえる料亭「乃木坂 神谷」。“いつも進歩した料理を”と強く高い志で美しくおいしい料理をおもてなすのは、神谷御主人。日本料理の修行を15歳の時、愛知県千歳楼ではじめ、以来、新宿柿伝など数々の名店で腕を振るう。その後18年間赤坂きくみの料理長に就任。平成3年に「赤坂たけがみ」平成7年に「乃木坂神谷」をオープンさせる。
お昼のコースは、ミニ懐石5000円〜。(写真参照)


日本料理ひとすじでご活躍されていますが、神谷御主人のポリシーをお聞かせください。

ポリシーは、和食の基礎を大切にしながら、中華・イタリアン・フレンチなど料理の壁を越えても、よりよい技術と食材があれば、和食のなかに積極的に取り入れていくということ。うちのお店では、たとえ何回同じお客様がお見えになっても、同じ料理を食べさせないようにしています。技術があれば、今までの料理を大切にしながら、より一層おいしい進歩した料理をお客様にお出しできるでしょ。いつも前進するこの姿勢を大事にしています。

その姿勢は、神谷様が監修された実践技術百科「新世紀の日本料理」(ジャパンアート社)にもでていますね。

その本は、東京ドームホテル取締役鎌田昭男総料理長、中国四川料理龍の子安川哲三料理長と一緒に新しい日本料理を紹介しています。和食には珍しいフォアグラやフカヒレなどの素材を使い、味は和食という斬新な料理をたくさん作りました。

懐石料理とともに、神谷では蕎麦を、たけがみでは蕎麦と寿司をいただくことができますが、まさにこれらは、日本を代表する料理、しかも、日本人がこよなく愛する品ですね。なぜこれらを一度に味わえるお店にしたのですか?

自分が食べたいものを出せば、お客様に喜んでいただけると思ったからです(笑)。日本料理を長年やってきましたし、日本料理の店ですから、日本料理はできてあたりまえです蕎麦と寿司は、それぞれ蕎麦屋・寿司屋という専門店があります。だから、蕎麦と寿司に関しては、一流のものを手を抜かずにお客様に出すことを心がけています。はじめは、蕎麦や寿司をお客様にお出しするタイミングに苦労しました。特に、蕎麦は、作ってからお客様にお出しするまでの時間がかかってしまうとだめなものなので。。。

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それでは、どうして蕎麦をはじめたのですか?

蕎麦との出会いはきくみで料理長をしていた頃。手打ち蕎麦を覚え、お客様にお出したところ、ものすごい反響でした。それで、蕎麦に目を向けたんです。和食の職人は包丁使いに長けています。だから、蕎麦も美しくできるのです。蕎麦は、毎年9月前に会津や山形の畑を見に行き、蕎麦の実や蕎麦粉を一年分買ってきます。やはり、自分の目で見て確かめないとよいものができないですね。

「神谷」も「たけがみ」も、極上の幸せを味わえる場所なのですね。それでは最後に、神谷様のこれからのビジョンをお聞かせください。

おいしいものを作っていくには、どう組み合わせていくかをもっともっと考えていきたいですね。いつも“なにかもうひとつもうひとつ”と模索していれば、よいものがでてくるはず。これからもイタリアン・フレンチ・中華の料理長の方との交流を深めながら、いろいろなものを吸収していきたいです。

貴重なご意見どうもありがとうございました。


    

冬瓜みぞれ蒸し

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材料・4人分

冬瓜

1/4本

きす(おろしてさいの目切り)

適宜

帆立貝(さいの目切り)

適宜

卵白

卵1個分

少々

八方地

適宜

べっこうあん

割合

薄口醤油

みりん

0.5

だし汁

くず粉(水に溶いておく)

適宜

おろししょうが

適宜

作り方

1.冬瓜:青いところ→塩でもみ、茹でて八方地につけておく、白いところ→おろし金でおろす。
2.@に卵白と塩少々を入れ、きすと帆立貝をまぜる。茶碗にこんもりと山型に入れ、蒸し上げる。
3.べっこうあんを作る。鍋に調味料とだし汁を入れ、煮立ったら水溶きくず粉でとろみをつける。
4.盛り付け。蒸し上がったAにBのべっこうあんをかけ、上に冬瓜の青いところとおろししょうがをのせる。