ズバリ、炭火焼のすばらしさをお聞かせください。
イタリア料理界での炭火焼の位置は比較的新しい調理法です。フランス料理のロテスリーから発展したものなんです。炭火のすばらしいところは、2つあります。まずひとつめは、余分なものが落ちてくれるということ。たとえば油の多い肉は、肉汁を閉じ込めてよけいな脂肪分が落ちます。ふたつめは、網焼きやガスで焼くよりも、表面がバリッと香ばしくなり炭特有の香りがつくこと。炭火焼は、一番シンプルな調理法でありながら、実は、一番素材の味をおいしくひきだす方法なのです。だから、僕は、魚介・旬の野菜・自分のところで作ったソーセージなどとりあえず素材すべてを炭火で焼いてみます(笑)。
炭火の他にもこだわりがあるそうですが。。。。
はい、それは塩です。世界各国の塩を試してみたのですが、素材の味が塩によって全然違うことを発見しました。同じ塩でも、塩の中のマグネシウムやカリウムなどのミネラル分によって、味のひきだし方を変えてしまうんですね。だから、下茹で用はイタリアの岩塩、黒豚を焼くときはクリスマス島の塩、魚を焼くときはモンゴルの塩などというように、一番おいしくなる塩を探して料理をしています。
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