ホテルグランドパレス 広東料理 萬壽苑

小山 達也 料理長

ポリシーは「素材を活かす」
国内外問わず広東料理を愛する人々が訪れる、「萬壽苑」。趣向をこらした卓料理の数々、さらに料理をにぎわすかのように中国四千年の技 野菜彫刻がひときわ冴える。彩りよく調理された旬の素材一つひとつから、声が聞こえてくるようだ。見ても食べても伝統の味が楽しめる場所である。


香港からお招きした先代李料理長の後を引き継ぎ、現在料理長としてご活躍されていらっしゃいますが、小山様のポリシーをお聞かせください。

中華の世界の入って、もう30年が経ちます。グランドパレス入社後、ずっと先代の背中を見て仕事をしてまいりました。昔は、今の時代と違ってたて社会の世界。鍋を一人前として振れるまで6年かかりました。今、僕があるのは、その中で精神的に鍛えられたからこそだと思っています。僕が、先代から引継ぎ料理長となってから、僕のポリシーでもありますが、特に、食材を大切にする気持ちが一層深まりました。お客様に喜んでいただけるのがいちばんですから、最上級の食材をいかに安く仕入れるか、自分で素材を探し吟味しています。特に魚介類は、港であがったものを直接仕入れております。質の高い新鮮な素材で、その持ち味を最大限に活かすよう料理をしています。


【スッポンの蒸しスープ】
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―小山様にとって中華の魅力とは、何ですか?

僕は、とても中華が好きです。毎日食べても飽きない料理だと思っています(笑)。広東料理は、中国の南に位置する広東が発祥です。この地方は、亜熱帯系で食材が特に多いのです。ハトやヘビ、カエルなど何でも食べてしまうほどです。そして味が薄めなのが特徴です。だから、中華の中でも、特に広東料理は、皆さんが食べやすい料理なのではないかと思います。そこが魅力ですね。


【生がきのステーキ】
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今回、旬の食材を使った料理ということでよりすぐりの2品ご紹介していただきました。「生ガキのステーキ」は、カキがプリプリッとやわらかく、特製ダレとカキのうまみが口の中でジュワーッと広がる一品、「すっぽんのスープ」はくせのないボリュームのある一品でした。二品とも、この季節を感じるお料理ですね。

ありがとうございます。生ガキを選んだのは、僕が好きだからです(笑)。僕が気仙沼出身なので、特に魚介類には目がないほどです。「生ガキのステーキ」は、カキに小麦粉をつけてカリッと焼くのですが、この火加減がポイントです。そして、新鮮なカキでないとこのおいしさは出てきません。そして、「すっぽんのスープ」を選んだのは、今、すっぽんが高級食材なだけに、だんだんと中華店からこのメニューがなくなっているからです。すっぽんは、この季節には欠かせない食材です。体が温まりますし、滋養強壮によいとされています。この不況な時代、すっぽんをお客様に召しあがっていただいて元気になっていただいたいですね。

ほんと、そうですね。この2品だけでなく、萬壽苑のお料理は、小山様の心意気が伝わり、自然と元気が出てきます。それでは、最後に小山様と歩む萬壽苑をお聞かせください。

二度三度いえ五度六度とお客様にいらしていただけるよう、これからもがんばっていきたいです。新しい食材がまだまだたくさんありますし、趣味嗜好も時代とともに変わります。それを利用して、伝統を守りながら、これからもやっていきたいです。


    

酢豚

今回特別に、ご家庭で簡単にできる
酢豚をご紹介いただきました。

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材料 2人分

豚肩ロース肉(3〜5mmの厚さのもの)

100g

溶き卵

1個

小麦粉・片栗粉

各適宜

塩・胡椒

各少々

玉ねぎ

60g

赤・緑ピーマン

各1/2個

ズッキーニ

1/2本

甘ラッキョ

30g

パイナップル(缶詰のもので可)

1枚

甘酢(ソース)

     

トマトジュース

大さじ2

サラダ油

大さじ4〜5

大さじ2

ごま油

少々

砂糖

大さじ1・1/2

   

イチゴジャム

大さじ1/2

   

オイスターソース

小さじ1

   

醤油

小さじ2

   

大さじ1

   

レモンスライス

1枚

   

水溶き片栗粉(片栗粉:水)

大さじ1:大さじ1

   

作り方

1.野菜は一口大に切る。ズッキーニは縦割りにしてから、炒めておく。
2.豚肉は一口大に切り、塩・胡椒・酒を各少々加え、なじむようによくもむ。溶き卵を加え軽くたたくようにしてから、片栗粉を大さじ2〜3杯からめる。
3.Aの肉に小麦粉を1枚ずつしっかりつけ、余分な粉をはたきおとす。フライパンをよく  焼き、サラダ油大さじ2〜3杯を入れ熱し、肉を並べ入れ両面をカリッと焼き取り出す。 取り出したフライパンに@の野菜を入れ軽く炒めて取り出す。
  <ポイント>肉を焼くため、揚げるより簡単にできます。カリッと焼くのがポイント。
4.フライパンに、あらかじめ合わせておいた甘酢ソース(水溶き片栗粉を除く)を入れ、沸騰したらBの材料を入れ、水溶き片栗粉でとろみをつけてできあがり。最後にごま油少々を入れ香りをつけてできあがり。

料理長のアドバイス

肉を揚げずに、焼いたため、油の量が少なくてすみます。
肉が薄いため、柔らかく仕上がるのでお子様にもぴったりです。
イチゴジャム・トマトジュースの隠し味で、風味豊かな甘酢になります。