自然薯料理  ふ じ

吉川 剛  チーフ

「自然薯料理 ふじ」は、往来のはげしい靖国通り沿いにありながら、お店そのものの意思を伝えるかのように飾らない佇まい、凛とした姿でそこに店を構えている。「食」への熱い想いから、長年の夢を叶えたオーナーのメッセージを詰め込んだ店内は、自然薯を多用したメニューと相まって心身共に癒してくれる場となるはずである。 チーフを務めるのは、この道20年の吉川さん。美味しいものはそのままで美味しい。長年素材と向き合ってきたからこそ素直に受け止められるようになったと語る。
  昼のコース : 1,500円 2,000円 (コースのみ)
  夜のコース : アラカルト/自然薯料理・魚料理・その他酒肴品を揃えております。
           コース料理/3,800円 5,800円 7,800円 9,800円(消費税別途)
          ※ご予算に合わせた料理もご用意できます。


店内に入ると、まず目に飛び込んでくるのが富士山の写真。真っ青な空を背景にした富士山、朝焼けに染まる赤富士がシンプルな店内に鮮やかな色を落としている。これらの写真は 富士山の撮影を趣味とするオーナーの作品 。夜中に山路を車で走り回っては絶好のタイミングを逃すまいと撮り貯めてきた大事な作品のごく一部だそうだ。

オーナーの想い

オーナー:以前から、『大好きな料理を自分で作って人に喜んでいただけたらどんなに素晴らしいだろう』 と夢として密かに温めていたのですが、たまたま好機に恵まれてお店を開くことができました。店名は大好きな富士山から「ふじ」という名をつけました。
メインの自然薯ですが本当にすばらしい食材なんです。私は毎日食しています。昔から滋養強壮、不老長寿と言われている食材ですが、グロブリン、マンナン、ルチン、アミラーゼ等、体に必要な成分が多く含まれています。通常スーパー等で山芋・長芋は売られていますが、自然薯はなかなか手に入らないと思います。私も今契約している方に巡り会うまでに本当に苦労いたしました。全国あちらこちらの自然薯を食べ比べてみましたが、自信を持って言えます。 これほど美味しい自然薯は他にありません。

私が特別健康に気遣かっているわけではなく、ただただ美味しいものを食べたい、その一心から始まったのですが、このお店の料理には添加物も使用しませんし、趣味が高じて店で使用する味噌や梅干しまで自分で仕込むようになってしまいました(笑)。

チーフのこだわり


吉川:オーナーのアイデアを形にするのが私の役割です。もちろん、オーナー自ら包丁を握られますが、本業が忙しいので、なかなかご自分で全てというわけにはいきません。一緒に工夫を凝らしてどうしたらこの自然薯をもっと美味しく食べていただけるかを考え、オーナーが求める以上の味にするのが私の仕事だと考えています。


料理を始めて20年になります。途中でたまたまフレンチに関わる機会もありましたが、最終的には素材を活かす和食の道に戻ってきました。そんな経験を活かしつつ、毎日素材と向き合っていく中で変わった事と言えば、格好をつけなくなったことでしょうか。美味しいものはどう食べても美味しいんですよ!
手を加えすぎてしまっては素材に申し訳ないでしょう。
この自然薯も本当はそのままが一番なんです。色々な味を楽しんでいただくために少しだけ手を加えているだけです。


九州男児のオーナーと自然薯に特化した料理に魅せられたチーフ。頑固さの中に筋を通した優しさが見え隠れするお二人である。
お店で使用されている器は全て備前焼陶芸家の見附 文雄先生に焼いてもらっているという。「ゆっくりと時間を過ごしてもらうために必要なアイテムなんです」 さらりと答えるオーナーに、食への並々ならぬ想いと人への優しさを実感できる。


オリジナル料理の紹介


『りゅうきゅう』という聞きなれないこのメニューは大分の郷土料理。 その昔、 漁師が獲れたての 鯖や鯵 を新鮮なうちにさばき、一口大に切って 胡麻と葱 で和えて 酒と醤油 で味付けし、炊きたてのご飯にのせて食べた素朴な漁師料理 がそもそものはじまりだそうだ。
もともと漬けた刺身は味がついているので、自然薯の味とよく馴染む。海と山の風味が口いっぱいに広がり、胡麻と葱のまろやかな風味がうまい具合につなぎになっている。日本酒の肴にするもよし、熱々のご飯に乗せて豪快に食べたいという衝動にかられる一品である。
とろろ汁で食べただけでは、せっかくの自然薯の特徴が表現しきれない。自然薯本来の香りや旨み、コシのあるこのネバリを味わうには最高の料理である。

吉川:様々な事情から「食」に対して時間もお金もかけられない時代になっています。週に一度、月に一度でいいから自然薯を食べていただきたいですね。うちの店の自然薯・自然薯料理をぜひ一度味わってみて下さい。安心・安全が叫ばれる昨今だからこそ素材の力に気付いてほしいですね。

チーフがおっしゃる通り、ストレス社会と呼ばれる現代である。時にはゆっくり美味しい素材と向き合い、くつろぎのひとときを過ごしてはいかがでしょうか。


りゅうきゅうの山かけ
材料(2人分)

クリックして拡大画像をご覧下さい

 

約120g

 

自然薯

約120g

 

(刺身用切り身なら 何でも可)

 

 

 

 

煎り胡麻

約15g

 

(薬味)

 

 

小匙1

 

万能ねぎ

適宜

 

みりん

小匙1

 

わさび

適宜

 

醤油

大匙3

   
 

万能ねぎ

5本位

   
         
 

 

 

 

 

作り方

1.鯵を三枚におろし、一口大に切る
2.煎り胡麻をすり鉢でする
3.万能ねぎを刻む (1/4は薬味に使用)
4.(1)(2)(3)をまぜ、和える
5.酒、みりん、醤油で味をつける
6.自然薯をすりおろし、その後すり鉢でする(※こしを出す)
7.器に(5)を盛り、(6)の自然薯をのせる
8.(3)の薬味用のねぎをふり、わさびをそえる