橋本さん

cocogoloso(ココ・ゴローゾ)

橋本 直樹 シェフ

御茶ノ水駅から歩くこと10分。住宅街の一角にあるココ・ゴローゾはトスカーナ方言を交えたイタリア語で「食いしん坊シェフ」という意味。地下への階段を下るとそんな小粋な雰囲気が広がっている。

シェフはフランス料理10年、イタリア料理14年のキャリアを持つ橋本さん。
今や生産者探訪や郷土料理探訪がライフワークとなっている。橋本シェフ の作り出す料理と仕事は、本当の美味しさが味わえる品々ばかりである。
ポリシーは「いたずらにアレンジしないイタリア各地の伝統を尊重した料理」を作ること

シェフのスローフードとの出逢いはテスタローリというイタリア最古のパスタ

「こんなパスタがあったのか!あの出逢いは僕にとって本当に衝撃だったね。」
とイタリア郷土料理に目覚めるきっかけから話をしてくれた橋本さん。
「当時の僕は、料理を創作することに傾倒していたんだ。新しいスタイルの料理を自分の中で作らなければいけないと思っていた。スペシャルといわれる料理はシェフのオリジナル料理だと思っていたんだよね。」
しかし、イタリア料理という旗をかかげながら自分の中から湧き出た料理が果たしてイタリア料理と言えるのだろうか?という疑念を少なからず抱いて料理を作っていたという。
「真似はできても自分はイタリア人でもフランス人でもない。言葉に母語があるように、味にもお袋の味があるんだ。日本のお袋の味で育った僕はイタリア人の嗜好でイタリア料理を作ることはやはりできない。どうしても日本っぽくなるんだよね。だから、まず覚えなければならないのは、創作料理の前にイタリア人がどういう料理を食べて育ったのか。彼らが食べてきた料理を知る必要を痛感した。そうしたら少し彼らの気持ちがわかるから。」
自分の料理スタイルを模索し、超えなければならない壁があると感じていた橋本さんにとって、イタリアスローフード協会との出会い、そしてイタリア郷土料理(テスタローリ)との出会いが後々の彼の歩む道を決めることとなったのだ。

食の原点を見つめて

「僕の場合、好きなんだね。田舎の風景や郷土の味を楽しむことが。この間も栗を栽培して栗粉を生産している人を訪ねてきたんだけれど、そこはテスタローリの故郷でもあるから今回はその取材も兼ねて行って来たよ 」
行くたびに新たな発見があるという。
その土地で食べた料理を自分に落とし込み、それがレパートリーとなってゆくのだそう。食の原点であるスローフード探訪が今やライフワークとなっているのである。

店内

クレーマ・ポルチーニ・サルシッチア・ストゥリンゴッツイポルチーニと
生ソーセージのソースで和えたパスタ
材料(1人分)

ソース材料

粉(中力粉)

60g

バター

大さじ1

30g

生ソーセージ

60g

塩 

少々

ポルチーニ

適量

 

 

玉ねぎ(みじん切り)

大さじ1

ブイヨン(あれば)

大さじ2

辛口白ワイン

大さじ2

 

 

生クリーム

大さじ2〜3


塩・胡椒

各少々

ワンポイントアドバイス
ポルチーニは生か冷凍を使いましょう。乾燥ポルチーニは出来上がりの味が違うので手に入らなければ、しいたけなど日本のきのこで代用しましょう。

作り方
 

@ パスタを作る。(なければさぬきうどんで代用可能)粉(中力粉)に水と塩を加えてよく練り、のばしてうどん状に切る。
A フライパンにバターを溶かし、生ソーセージ、ポルチーニを加えて よく炒め、玉ねぎ、ブイヨンを加えてさらに炒める。
B 辛口白ワイン、生クリームを加えて蓋をして少々煮詰め、 塩、胡椒をしてゆでたパスタに絡めて出来上がり。
C お好みでパルミジャーノ、パセリのみじん切りを散らす。