柴田オーナーシェフとインド料理との出会いは、いつですか?
調理師学校卒業後、僕は洋食屋、今でいうフランス料理屋で4年間働いていたのですが、だんだんとつまらなくなってきたんですね。その時「他の仕事をしてみよう」って思いました。でも、どうしても僕の目に入るのは料理店。ふとある時、六本木のインド料理の老舗である“モティ”の面接に行ったのです。一歩店内に入ると、そこは僕が見たことがない世界でした。コックもホールもスタッフみんなインド人。キッチンの仕事ぶりになんとなくひかれ「ここで試しにやってみよう」と思ったのが僕とインド料理の出会いです。
実際、インド料理の世界に入られて、いかがでしたか?
僕が“モティ”に入った頃は、ちょうどインド料理が流行りだした頃。日本に来るコックさんは、タンドリーのエキスパート・カレーのエキスパートと、みなファイブスターの腕のよい職人さんばかりでした。味・まかないすべての仕事ぶりが気に入って今に至っています。洋食屋にいた頃は、先輩が作ったものでも「おいしい」と思ったものはありませんでした。でもインド料理は、味覚に訴える味、人間の欲にまっすぐ来て「おいしい」と感じます。
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