―うなぎの魅力は、何ですか?
石橋:自分の焼き方ひとつで、おいしくもなるしまずくもなる、つまり自分の思うように焼けるということです。僕は、15歳の時にこの店に入り、ちょうど今年で50年たちます。先代のおやじさんの姿を見ながら、最初は出前もちからはじまり、自然に今日まで過ごしてきた気がします。やはり、月日が経つにつれてうなぎの質も変わってきます。だから、「串打ち3年刺き8年焼きは一生」といわれるように、まだまだ勉強だと思っています。
―やはり、江戸前うなぎには、炭火は欠かせないですか?
石橋:そうですね。江戸前うなぎは、焼いて(白焼き)蒸してタレをつけて再び焼きます。紀州備長炭を使って焼くとふっくらやわらかく焼けてうなぎが最高の状態になります。いくら時代が変わっても、蒲焼は炭火です。
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