お客様の声に支えられて
林さんが無添加、無農薬、薬膳効果のある食材など、素材にこだわりをもつようになったのは、ある本との出会いからでした。
「きっかけは、有吉佐和子さんの『複合汚染』という本でした。その本の中には、今までなんとなくしか知らなかった、添加物や農薬の影響、環境問題のことなどがたくさん書かれていて、とても感銘を受けました。食に対して私なりに考えた結果、自分の手を通してお客様に伝えるものは、安全で安心して食べられるものでなければと確信し、今のスタイルへと変わっていきました。そしてアトピーのお子さんを連れたお客様から、子供にも安心して食べられるパンを作ってほしいと頼まれ、卵や乳製品、油脂、添加物が入らないパンも提供するようになりました。」
店頭に並ぶメッセージやパンフレットにも、ぎっしりと食の情報が書かれていて、林さんの知識の豊富さを感じます。
「自分はものすごい知識があってこのパン屋を始めたわけではありません。絶えず、お客様が質問してくださるので、その度にちゃんと答えなければ!と勉強しているだけなんです。」
そう言った日々の積み重ねが、食材へのこだわり、パン作りへのこだわりにつながり、「アルルに行けば、安心・安全なパンが食べられる」という口コミで、アルルの存在が広がって行きました。
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