アル チェッポ(Al Ceppo)

今井 雅博 オーナーシェフ

ポリシーは「イタリアを愛する心」 ここは、イタリアか!?店内に一歩入ると、陽気な声と明るい笑顔で迎えてくれるアルチェッポ。六本木「ラ・パレッタ」からシェフの今井 雅博氏とチーフカメリエ―レ神田 直氏が独立し、2001年10月に白金高輪にオープン。シェフがイタリア全土を巡って探求したイタリア料理を味わえる店である。シェフが作り出す料理は、ポリシーのごとくイタリアを愛する心がいっぱいつまった優しい味。アルチェッポは、秘密にしておきたいとっておきの場所なのだ。
ランチ:金・土・日・祝日のみ1000円
ディナー:各1600円、コース5000円 、6500円

イタリアに興味を持たれたきっかけをお聞かせ下さい。

それは、サッカーが好きだったからです。小学生の頃の夢はサッカー選手になるということ。それで、海外遠征に行き、お金を貯めて恵まれない子ども達へ寄付をする、そう小学校の文集に書いたほどです。でも、もうひとつ僕には夢がありました。それは、料理の世界に入るということ。小学生の頃、親が共働きでした。その当時、小学校は、土曜日が半日授業だったので、学校から帰ってきて自分でご飯を作るのが楽しみでした。「自分で野菜炒めとハンバークを作ってひとつのお皿に盛り、そしてそれをふわふわの市販のフランスパンと一緒にナイフとフォークで食べる」それがとても僕にはうれしいひとときだったのです。今考えると、僕の料理の原点は、その頃にあったかもしれませんね。アルミのお弁当箱に、卵黄・砂糖・牛乳を入れて凍らせたジェラ―トもどきやジュースを凍らせてグラニテもどきを作ったりもしていましたから。そしてそれから、小中高校とサッカーをやり、高校の時には全国大会に出場しました。某自動車会社に就職し、その頃はJリーグ結成前でしたので、実業団でサッカーをしつつ仕事をしていました。3〜4年はレギュラーでサッカーの試合に出ていましたが、その後膝を悪くしてサッカーを続けるのは無理でした。その時、僕のもうひとつの夢である料理の世界へ入ろうと思ったのです。22歳の時、料理の世界に入り、28歳から32歳まで丸4年間、イタリアへ行き、レストランで修行をしながら20州全土を回りました。



【ダチョウのシンプルな炭火焼 黒胡椒風味】

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すごいバイタリティーがあふれていらしゃいますね。実際に、イタリアへ行かれて、いかがでしたか?

とにかくイタリア人との出会いが素晴らしかったですね。今回ご紹介した料理は、全て僕の思い入れのある一品です。ダチョウの炭火焼は、トスカーナの料理。ダチョウは珍しいですが、牛肉に似た非常に食べやすいお肉です。アクアディマーレは、シチリアの料理。ここのグランドメニューは季節ごとに変えていますが、このアクアディマーレだけは1年間変えず、ずっとメニューブックに残っているメニューです。それは、自分でも毎日食べたいと思う料理だからです。パンにつけて食べたら最高ですよ(笑)


今回秋ならではのメニューを今井様にご紹介していただきました。ダチョウの炭火焼(写真上)は炭火の香りとあっさりとしたダチョウ肉がとてもよく絡み合い、そば粉のパスタ(写真右)は松の実がアクセントとなりそば粉とチーズの風味がひきたっている、イタリア好きにはたまらない非常においしい料理でした。まさに、今井様のイタリアを愛する心が伝わってきます。今井様にとって、イタリアの魅力とは?

個性豊かということかな。イタリアは、歴史もすごい、料理もすごい、建築や芸術もすごい。それを支えているのはイタリア人だと僕は思います。日本には「いちばん」がひとつしかありませんが、イタリアには「いちばん」がいっぱいあるのです。イタリア人は人を認めようとします。イタリア人彼らの人間性が素晴らしいのです。イタリア人自身が魅力のあるイタリアという国を作っているのだと思います。


北イタリア名物 そば粉パスタ ピッツッオケリキャベツとジャガイモ

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今年の10月29日でアルチェッポは1周年をお迎えになられるということですが、最後に、これからの今井様の夢をお聞かせください。

実は、アルチェッポは、ローマに存在します。僕が、ローマで修行をさせて頂いたリストランテなのです。ローマのアルチェッポは、僕にとって非常に印象的な場所でした。ローマの街から4キロも離れている場所なのですが、120席が連日埋まるほどすごい店なのです。お客様は、みなローマッ子です。タレントやサッカー選手など有名人もお見えになります。もちろん、観光客はいません。僕の店をオープンさせる時、少しでもローマのアルチェッポに近づければ、あんなすばらしいレストランになれればという願いを込めて、オーナーにアルチェッポと言う名前をつけていいかを訊ね、許可を得ました。おかげさまで思った以上に成果の得られた1年でした。アルチェッポは、イタリア語で年輪という意味です。これからも、若手スタッフを育てながら、年輪を重ねつつ、よいお店にしていければと思います。そして、僕の今の夢は、将来イタリアでお店をだすということです。                                              

アク アディ マーレ今井シェフの思い出の一品を家庭風にアレンジしていただきました。


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材料 4人分

白身魚の切り身(スズキ・タイ・カサゴなど)

400g

プチトマト

6個

ムール貝・海老・アサリ・たこ・いかなど

お好みで

400cc

ジャガイモ(皮をむき1cm幅に輪切りをしボイル)

2個

玉ねぎ(1cm幅くし切り)

1/2個

ドライトマト

少々

ケッパー

少々

アンチョビ

少々

イタリアンパセリ

少々

にんにく(芯を除いて薄切り)

少々

オリーブオイル

少々

作り方

非常に簡単で美味しく召し上がることが出来ます。具は好みに合わせてご利用下さい
1.具をすべて鍋に入れ、煮る。
2.火が通ればできあがり。
ジャガイモに、具から美味しいソース味がしみ込んだら出来上がりです。